あけましておめでとうございます,今年も楽しくプラレールで計算していきます!

この記事では,昨年の12月30日に実施したプラレール全加算器の構築テストについてお知らせいたします.

テスト風景

こちらが今回製作したプラレール全加算器 ver.1.1 の全景です.

プラレール全加算器

面積は約2.0m × 3.5m,高さは最大8段重ねとなり,かなり大きくて複雑なレイアウトになりました.

また,3つの電車が全加算器の3つの入力をそれぞれ読みとるため,3並列で動作します

ちなみに全加算器とは,簡単にいうとゼロかイチを取る入力が3つあり, それらの和を2進数の2bitで出力する論理回路素子です (くわしくは Wikipediaを参照ください).

入力部分は見やすいように,ひな壇のようにずらして配置しました. 入出力は下の図のように対応しています.

入出力

A, B, Cが3つの入力,X, Sがそれぞれ2出力の上の桁と下の桁です. 黄緑色の線路がある方向に分岐レールのポイントが向いていれば1,そうでなければ0と解釈します.

設計のエラッタ

構築が完了し,さっそくテストランをしたところ,誤りを発見しました. A = 1, B = 0, C = 1という入力で,出力が X = 0, S = 0と誤って出力されてしまいました (本来は X = 1, S = 0のはずでした).

真理値表

調べてみると,どうやら設計にミスがあったようです. 回路の下図に示す部分では,上の線路が下の線路に合流すべきだったのですが, そのまま上の線路をたどっていってしまったようです.

問題の箇所

むむむ,どうにか修正できないでしょうか.構築にかなり時間を使ってしまい, 結構焦っていたのですが,しばらく考えると妙案が浮かびました.

修正版

Uターンレールです.なかなか使いどころの難しいこのレールを使って, こんな感じで上の線路を下に合流させて解決しました (後で気付いたのですが,かなり焦っていたようで,この写真ではUターンレールの組み方を間違えてます).

しかし,微妙に隣の坂レールとぶつかっていたり,橋脚の数がすこし足りずミニ橋脚で代用したりと,いくつかの問題が発覚しました. そのため念には念をということで,今年2月のOSC 2018 Tokyo/Springまでに,再度全加算器のテストを行うことにしました.

謝辞

先日,プラレール全加算器の部品の寄付をお願いしたところ, たくさんの方々からレールをご提供いただきました. おかげさまで,プラレール全加算器のテストができ,本番であるOSC 2018 Tokyo/Springでの全加算器の展示が実現できそうです. レールをご提供いただいたみなさまに,心から感謝いたします!