スイッチ付きシャーシと特殊なレールとの相互作用
あけましておめでとうございます。長らく音沙汰がなくてご心配をおかけしましたが、まだまだプラレールで計算をやって行きたいと思います。
今回は、スイッチ付きシャーシと、いくつかの特別なレールを組み合わせて走らせたときに、どのような挙動が得られるかを備忘録的にまとめておきたいと思います。
背景
昨年末にS-40 レールで往復!H5系新幹線はやぶさ という商品が発売されました。 こちらは昨年7月に発売された寿司特急おまち と同じく、スイッチバック機構を持つ編成車両と専用のレールのセット商品となります。 付属する2種類の往復レールには突起がついており、動力車の底面に存在するスイッチを切り替えることでスイッチバックを実現しています。
似たような商品としてはS-16 レールで速度チェンジ!! E5系新幹線はやぶさ があります。こちらはスイッチバックの代わりに高速運転・低速運転の切り替えができます。
プラレールにはもともと、自動ターンアウトレール(電車が通るたびに通る方向を切り替えることのできるレール)を始めとした特殊なレールがいくつか存在します。 そのため、スイッチバックや速度チェンジなどのスイッチ付きシャーシを持つ電車を走らせた際に問題なく走行できるかどうか、 また組み合わせての走行は可能かどうかに関心がありました。
結果
結果を文章でまとめます。説明の都合上、以下のような呼称をします。
- 往復シャーシ: S-40 レールで往復!H5系新幹線はやぶさ の先頭車両のシャーシ
- 往復レール(まえ): ↑に付属する水色のレール。まえ、と記載がある
-
往復レール(うしろ): ↑↑に付属する黄緑のレール。うしろ、と記載がある
- 速度チェンジシャーシ: S-16 レールで速度チェンジ!! E5系新幹線はやぶさ の先頭車両のシャーシ
- スピードかえレール(はやい): ↑に付属する赤いレール。加速する
- スピードかえレール(ゆっくり): ↑↑に付属する緑色のレール。減速する
速度チェンジシャーシ
自動ターンアウトレール上については、速度チェンジシャーシは基本的に問題なく走行できるようでした。 高速運転時はプラレール史上最高速と言われているためポイントの切替などが間に合うかが心配ですが、 レール上のスイッチを引っ掛ける部分が車両の前方についているため実際はかなり余裕があります。
自動ポイントレール(3分岐の方)では、2と書かれた分岐先から進入する際はスイッチとポイントがぶつかり、車両が止まってしまいます。 さらに、AUTOモードでポイントが1→2と切り替わるタイミングで分岐元から進入すると、 高速走行時だとポイントと車両側のスイッチがぶつかってしまい、低速運転に切り替わることがまれにありました。
スピードかえレールについては付属品であるため、言わずもがな正常に利用できます。 低速運転時に(ゆっくり)の上を走行したり、高速運転時に(はやい)の上を走行しても、 速度はそのままで問題なく走行できます。
往復レールについては走行できるもの、不自然な引っ掛かりが見受けられたため、基本的に併用はできないと考えたほうがよさそうです。
余談ですが速度チェンジシャーシは電源をOFFにすると、常に低速モードに切り替わり、手動で底面のスイッチを高速運転側に変えることはできません。
往復シャーシ
往復シャーシについては全体的に制約が大きい印象です。
自動ターンアウトレールについてですが、レールのスイッチが2回ほどトリガーされる現象が多々発生しました。 これはシャーシの裏のガイドの部分が引っかかってしまうことで発生するものだと思います。 通常の走行時には1回目と2回目の間隔が短すぎるため、2回目のトリガーが怒らないことが多く、問題になることはまれです。 しかし手転がしや電池が消耗している際は2回のトリガーが起きてもおかしくないでしょう。
さらに、AUTOモードでポイントが切り替わる設定でバック方向で進入すると、先頭車両と後方の車両で進行方向が異なり複線ドリフト状態となり脱線します。
自動ポイントレール(3分岐の方です)では、
- 速度チェンジシャーシで説明した、2と書かれた分岐先からは進入できない問題
- 自動ターンアウトレールとの組み合わせで発生する、一度に2回のトリガーが発生する問題
- およびバック方向で進入すると後列の車両が脱線する問題
の3つがすべて発生するようでした。
スピードかえレールの上を走行した場合にどうなるかですが、以下の表のようになりました。
スピードかえレール(はやい) | スピードかえレール(ゆっくり) | |
---|---|---|
前進 | 引っかかり止まる | やや引っかかる |
後退 | 素通りする | 前進方向にスイッチバックする |
シャーシの製造月日の細かい違いで挙動が変わるかもしれないので、参考程度とさせてください。 なんにせよ、こちらも併用することは現実的ではなさそうです。
往復レール走行時の挙動
往復シャーシが往復レール上を走行する際の挙動についてまとめます。 実際に試すまであまり腑に落ちなかったのですが、こんな感じでした。
- 往復レール(まえ): 車両を後退させる方向にスイッチバックする。すでに後退方向に運転しているであれば素通りする
- 往復レール(うしろ): 車両を前進させる方向にスイッチバックする。すでに前進方向に運転してるのであれば素通りする
重要なのは、どちらの往復レールも、スイッチバックするかどうかを決定するのが、 列車がレールにどちらから進入したかではなく、列車そのものが前進しているのか、それとも後退しているか、という点です。
往復レールについては前後で非対称な形ですが、レールの凸側および凹側のどちらから車両が来ても挙動は同じでした。
まとめ
- 速度チェンジシャーシは自動ターンアウトレール上を問題なく走行できます
- 往復シャーシは自動ターンアウトレール・自動ポイントレールのスイッチを2回トリガーする可能性があります
- AUTOモードを使用しないのであれば問題ないです
- 速度チェンジシャーシおよび往復シャーシのどちらも、自動ポイントレールの2と書かれた方から進入することができないです
- 速度チェンジシャーシと往復シャーシのどちらとも、レールを混ぜて利用すると引っかかったり、思わぬ動作をする事が多いです
- 速度チェンジシャーシの速度切替は、(はやい)および(ゆっくり)のレールの上を走るとそれぞれ、高速および低速運転になります
- 往復シャーシのスイッチバックは、前進しているか後退しているかを切り替える。
- (まえ、水色のレール)の上を走ると、列車は前進方向に走り出す
- (うしろ、黄緑のレール)の上を走ると、列車は後退方向に走り出す
TODO: 写真を入れてわかりやすくしたほうがよさそう